敢えて書く。
コピーが炎上している銀座の着物屋さん。2016年に東京コピーライター賞を受賞している博報堂のコピーライターさん作によるもの。なぜ今更こんなに燃え上がってしまっているのかは分かりませんが、「攻めるコピーライティング」は社会的バランスを考えなくてはならない。特に、不特定多数、老若男女の人に見られる広いターゲットを対象にする広告は、どんな人が不快に思ってしまうかわからないので、こうやって数年経って問題になるケースが多い。最近は、競合企業が過去に遡って粗探しをしているほどだ。
ギリギリのラインを狙ったんだと思う。着物のイメージを変えたくて、攻めてみたんだと思う。ただ、誰かを著しく傷つけてしまう広告は、街中に仕掛けられたテロリストの爆弾のようなものになってしまうこともある。…悲しいことに。
重要なことは、今回で言えば、これは「銀座の着物屋さんが書いたもの、発信したもの」として世間に認識されてしまうことだ。書いたのは仕事を請けたコピーライターである。
世の中に発信するからには、一定の責任が伴う。
最近はこうしてコピーライティングの重要性が大衆に再認識されていることは、うちのような色んな事業プロデュースをやっている会社としてはとっても喜ばしいこと。しかしその裏打ちで、同時に炎上ケースも目立つ。
博報堂さんは、言わずと知れた広告業界の巨城だ。残念ながらまだコピーライター賞を獲ったことはないけれど、ここ数年の世間の広告は、少し暴走路線を走っているきらいがある。フリーでフレキシブルになったWEBインフラの発達によって、余程の破壊力があるコピーやビジュアルを仕上げないと、もはや大衆に刺さらないからだ。
モラルのデフレが起きている。
それでも、人にやさしい広告を目指していきたい。
人を幸せにするコピーを打っていきたい。
今一度、広告業界も大切なことを見直していかなくてはいけない時期に来ているんじゃないかしら。
人を悲しませるのは簡単だ。けれど、人をハッピーにすることは遥かに難しいし、同時に尊い。
その命題に従って、仕事をしたいなぁと改めて思う。
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